神人~伝説の神人が死んだ日~
神剣が肉を貫いた感触がいつまでも消えない。手に付いた血は何度洗っても、いつまでも付いているようで怖かった。
バースを守る為とは言え、私は人を殺したのだ。初めて人を殺したのは、思った以上に心を苦しめる。
その時背後で草を踏む音がして、振り返るとバースが立っていた。
「何してんだ?」
話かけて来るバースにヘウ"ンは無理矢理笑顔を見せた。
「ううん。何も」
「そうか」
そう言ってバースはヘウ"ンの隣に腰掛ける。少しの間二人は何も言わず、ただ日の光で煌めく葉を見つめた。
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