青空の紙ヒコーキ
「てらりん、あたしサッカーしに行きたい。」

「却下。外なんか見てないで手を動かせ。それから頭の中も。」

「うー…。」



一度見てしまったものを無かったことになんかできない。

それに…

ましてやあんなに楽しそうな陽を見てて勉強しろだなんてひどすぎる!!

うわー超汗かいてる…
でも…
すっごい笑ってる。
陽は「頼まれたから」とか言ってたけど、なんだかんだ言ってサッカー好きだもんね。
どんなスポーツも普通に上手くこなすけど、
サッカーやってるときは…
なんていうか子どもに戻るってのかなぁ…
「素」の笑顔に戻る気がする。


「子どもみたいだなー。」

「ん?なんだ?俺のことか?」

「違うよー。てらりんは…まぁ子どもぽいけどさ。
陽のこと。
あそこでサッカーしてるじゃん?」

「おー五十嵐、今度はサッカー部に入ったのか。」

「入ってないよ。サッカー部、部員少ないからお手伝い。」

「入ればいいのにな。」

「ねー。でも時間を拘束されるのが嫌なんじゃないかな。
陽は自由人だから。」

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