青空の紙ヒコーキ
あたしは屋上のドアを開けた。
風がびゅうっと吹いて、あたしの顔に当たる。


「んーっ!!気持ちいい♪快晴ー!!」

「うん。気持ちいい。」


陽はにっこりと微笑んだ。
あたしはこういう柔らかい顔の陽にいつもなんか安心する。


「もう1年経っちゃったのかぁ…」

「早いよね。1年とか。」

「うん…全速力で駆け抜けた感じがする!!」

「確かにはるは全速力だったかも。」

「だったら陽もじゃん!!
ずーっとあたしと一緒にいたんだからさ!!」

「まぁ…そうだね。」

「てゆーかさ…
あたしと陽が初めて会話したのもここだったよね!?」

「そうだね。」

「さっきからそうだねばっかりー!!
ちゃんと覚えてる?」

「覚えてるよ。
まるで昨日のことみたいに鮮明にね。」

< 12 / 417 >

この作品をシェア

pagetop