青空の紙ヒコーキ
* * *


梨絵があたしの手を引っ張ってくれてる。

ちっちゃい川があるところまで来た。

少しだけ涼しいかも…



「ちょーっと無茶な理由だったねコレ。」

ははっと梨絵が笑った。
でも真剣な顔に戻る。

「大丈夫?はる…?」

「え?」

「さっき、本気で困ったときの顔してたから。」

「え…ホント?ってか何その顔。」

「昔から、本気で困ったときだけする顔のこと。
今戻るのまずいよね…
みんな寝静まるまでここで待とっか。」

「う…うん…。」


やっぱり梨絵は天才かも。
昔から…
あたしのこと分かってて、いつも助けてくれる。

あたしは自分が困ってても自分からは素直に言えないから…

でもそういうのも梨絵は絶対気付いてくれる。

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