青空の紙ヒコーキ
ファンタをひとつ、笹川に渡してベンチに座った。


「はると陽くんに気を使ったの?」

「え?」

「はるの叫んだこと、陽くん気になってるっぽかったから、二人きりにして話させてあげたかったんじゃないの?」

「えっと…ま、まぁな。」


嘘。
そんなことは全然考えてなかった。
ただ、笹川と二人になりたかった。
正直に言えば…
でもんなこと笹川に面と向かって言えねーけど。


「っていうか奢ってもらっちゃってごめんね。
別に奢ってもらう気なんて最初からなかったのに。」

「えー別に全然。
つーか俺こそここまで引っ張ってきちまってごめんな。」

「ううん。全然。」


おっと…無言になった…

沈黙ってダメなんだよな。


俺は自分から沈黙を破ることにした。

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