青空の紙ヒコーキ
*梨絵side*

久哉くんに手を握られた。

だからあたしの心臓爆発寸前。

この場所に来るときは、はると陽くんを二人っきりにするためにあたしの手を握ったんだろうけど…

今はちょっと違う。

あたしをロッジまで送ってくれる。

ホントは手をつなぐ必要なんてないのに…

もしかして暗いからかな…?
迷うといけないから?

理由なんてどうでもいい…。

久哉くんがあたしの手を握ってくれてる。

あったかくて大きい手。

それが幸せすぎて…

なんかあんまり頭が回ってないかも…

あんな状態のはると陽くんを二人っきりにして大丈夫かなとか最初は思ってたけど…

ごめんね、はる。
今はちょっと自分のことで頭がいっぱい。

あたしは久哉くんの手を握り返した。


< 163 / 417 >

この作品をシェア

pagetop