青空の紙ヒコーキ
はるが、濡れている俺のパーカーをぎゅっと握る。
その手を、俺は上からぎゅっと握った。


「大丈夫だから。
笹川さんとか久哉とか心配してると思うし、戻ろう?」


はるはまだ俺の胸に顔を埋めたまま。

でもずっとここで濡れているわけにもいかない。


「しょーがないなぁ…。」


そう言って俺ははるを抱きあげた。


「え!?」

「帰ろう。ね?」

「あ、歩けるよ。っていうか歩くよ。」

「いいって。はる、軽いし。」

「重いよ。」

「軽い軽い。だから大丈夫。」


はるは何か物言いたげだったけど、素直に俺に寄り添ってきた。

実際、こんなにしおらしいはるは初めてで、可愛くて仕方がない。

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