青空の紙ヒコーキ
「でも好きなやつのこととか、そーゆーのは分かんねぇから。
あんま意味ねぇし。」

「どーでもいいって…。
女の子たちに失礼だよっ!!」

「今、俺は他の女に構ってるような余裕ねぇの。
つーか好きなやつの気持ちが分かるようになれば…
苦労しねぇのにな。」

「確かにね…。
あたしもそういう能力欲しいよ。
っていうかその能力、はるにもつけてあげたい。」

「それ、激しく同感。」

「だよね。」

「つーか…
梨絵ってほんっと面倒見いいよな。」

「え?」

「はるもいい友達いるから、あんな風に陽のとこに戻っていけるんだなーって。
ちょっと思った。」

「それ、褒めすぎだって。」

「んなことねーよ。
梨絵はすっげーいいやつ。」

「ありがと。」



『いいやつ』かぁ…
褒め言葉には間違いないんだろうけど…
あたし、久哉くんに『いいやつ』って思われたいわけじゃないんだよね…

久哉くんの余裕を奪っちゃう、

『好きな人』

になりたいんだよ…
本当はね。


*梨絵side END*


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