青空の紙ヒコーキ
「今追いかければ間に合うと思うよ。
伝えるんでしょ?
ちゃんと自分の気持ちを。」

「お…おお。
ありがとな。陽。
それにはるも。
俺、行ってくる。じゃーな!!」



安藤が猛ダッシュで階段を駆け下りていく音だけが反響していた。





「はる、寒いでしょ?」

「え?」

「これ、巻いてなよ。」


そう言って陽はあたしにマフラーを貸してくれた。


いきなり陽の香りに包まれる。


「あ…ありがと。」

「どういたしまして。」



マフラーで思い出す。


「あ!!陽、ちょっと待ってて!!」

「え?はる…?」



あたしも、安藤に負けないくらい猛ダッシュで階段を駆け下りた。


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