青空の紙ヒコーキ
「俺のこと、今日から呼び捨てで。
これ、強制だから。」

「え!?」

「だって俺、お前の彼氏だろ?」

「えっと…
そ…そうだけど…。」


顔を真っ赤にしたまま、梨絵はそう言った。
自分で振っといて、『彼氏』だと肯定してくれることが嬉しい。


「彼氏のことは名前呼び捨てで呼ぶって普通だろー?
ってことで、はい。梨絵も練習。」

「え!?いっ…今!?」

「うん。今。」

「ひ…久哉…。」

「出来んじゃん。
ってことで、この調子でよろしくなっ。」


俺は梨絵の頭を撫でた。


「み…みんなの前でも?」

「当たり前。
あ、俺、全然隠すつもりないし。
梨絵は嫌?」

「嫌…じゃないよ…。」

「なら良かった。
つーかオープンにしねぇと悪い虫が寄ってくるからなー…。」

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