青空の紙ヒコーキ
* * *


屋上は冷たい風がびゅうびゅう吹いていて、あたしはぎゅっと目をつぶった。


「ちょっと…風冷たいね。
大丈夫?」

「だ…大丈夫っ!!」


まともに目が見れない。

もーっ!!なんなのあたし!!
こんなんじゃダメなのに…


「はる?」

「え?」


あたしは不意に名前を呼ばれて顔をパッと上げた。


「あ、やっと目を合わせてくれた。」


そう言って優しく微笑む陽。

また…だ…

陽の笑顔にまた救われる。


「ゆっくりでいいから、話。
はるのペースで話してくれればいいよ。」


そう言って陽はいつもの定位置に腰を下ろす。


あたしもその隣に座った。

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