青空の紙ヒコーキ
びゅうっと風が吹き抜ける。

やっぱり1月の終わり頃だけあって寒い。


「これ、かけときなよ。」


そう言って陽はあたしにカーディガンを渡す。


「いいよっ!!
あたしもカーディガン着てるしっ!!
それに陽が風邪ひいちゃう。」

「大丈夫だよ。
いいから。
寒いんでしょ?」

「寒くないよっ!!」

「嘘。
鼻、赤くなってるし。」


そう言って、無造作にあたしにカーディガンをかけた。


「ありがと…。」

「うん。
どういたしまして。
はるはそうやって素直にしてた方がずっといいよ。」

「……。」



ホントは今すぐ聞きたいんだろうな。

それを…
あたしがぐずぐずしてるのを黙って待っててくれてる。

あたしってこんなに意気地なしだったのかな…?

言わなくちゃいけない気持ちはたった一つなのに…

それさえも言えない…だなんて。


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