青空の紙ヒコーキ
しばらく続く沈黙…

でも陽は手を離してくれない。



「はる…
一緒に帰ろうか。」

「え?」

「荷物取りに行こう。」

「う…っ…うん。」



陽はあたしの腕を掴んでいた手を離して、あたしの手を握り直した。


「えっ?」

「嫌?」

「いっ…嫌じゃないけど…でもっ…。」

「誰かに見られるの…が気になる…?」



図星…をつかれた。

だから何も言えない。


「もういいでしょ?
周りに何を言われたって。
帰ろう?」


陽は少し強引にあたしの手を引いた。

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