青空の紙ヒコーキ
「だってあたし、女の子らしいとこなんかひとっつもないんだよ?
おまけに恋愛経験ゼロ。
ただの運動バカだし。
ていうか運動しかできないし。
そんな子が陽につり合うわけない。
きっと、あの時陽が好きって言ってくれたのはなんか雰囲気に乗せられちゃっただけだからだし。」

「何よそれ…」

「陽は…
誰にでも優しくて、みんながときめいちゃうほどかっこよくて、勉強できるし、スポーツできるし…
完璧なんだもん!!
あたし全然…横にいられない存在なんだって…
陽のそばにいると…どうしても思っちゃう…」

「はる…。」


一人でよく考えてみたんだ。

陽は本当に完璧。

なんであたしを好きなのか分かんないってくらい。

だってあたし、ダメなとこのほうが多いもん。

それに最近ずっと悩みっぱなしでうじうじしてるし。

いつものあたしじゃないみたい。


陽のことは好きだよ。

だっていつも陽の隣にいるだけで心地いい。

ずーっと陽のそばにいたいって思う。

でも「彼女」としてならあたし、絶対役不足だよ。

陽には不釣り合い。

陽のそばにいるから余計分かる。

こんな素敵な人の彼女があたしでいいわけない。


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