青空の紙ヒコーキ
「だって…
陽は、あたしと違って何でもできるもん。
勉強もスポーツもできるし、顔もかっこいいし、誰にでも優しいし人気あるし…
あたしなんかの彼氏にできない。
美人な子とかの隣のほうがずっと似合う…。」

「それって遠まわしに俺のこと振ってるの?」

「ち…違う!!
あたし…陽のこと…好きだけど…
恋愛とかよく分かんないから、陽の気持ち分かっても、どうしたらいいかとかも分かんないし…
分かんない…!!もう気持ちぐちゃぐちゃ…。」

ぐちゃぐちゃなのは呂律もだったけど顔もだったはず。
なのにそんなあたしに向かって陽は

「はる?顔上げて?」

なんて言う。

「無理。ブスだもん。」

「じゃこれまず使いなよ。」

そう言って陽はミニタオルをあたしに渡す。

「ありがと。」

あたしはとりあえず目をこする。

「落ち着いたら、顔上げてよ。」


陽の声は魔法。
あたしは陽の声に導かれるように頭を上げた。

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