青空の紙ヒコーキ
「あーあ。目がちょっと腫れちゃったね。
なんか泣いてるはるって珍しいからちょっと貴重かも。」

「何言ってんの?あたしもう…。」



また陽に腕を引っ張られてあたしはいとも簡単に陽の腕の中に収まる。


「はる…不安に気付いてやれなくて…ごめんな。」

「え?」

「なんていうか…そんなに悩んでたことに気付かなかった。」

「……。」

「でも、ちょっと教室で言われたことは落ち込んだ。」

「え?」

「はるからチョコもらえないのかーって。」

「えぇ!?」

「あんないっぱいのチョコより、はるのチョコのほうが欲しいし。」

「もー!!やだぁ…。」


陽の言葉にあたしの涙腺は爆発した。



「え?何?
どうしたのはる?」

「陽がそういうことばっかり言うからあたしが調子に乗るんじゃんかー!!」

「調子に乗っていいよ。はるは俺の彼女なんだから。」

「……自信ないよ。あたし。」

陽の腕の中でポツリと呟いた。


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