青空の紙ヒコーキ
「うん。
今日一番欲しいのはチョコよりもはるだよ。」

「え…?」


そんな陽の言葉にぼーっとしてたらまた唇をふさがれた。

さっきよりもずっと優しく…



もう、あたし、ホントに今日は陽に翻弄されてばっかりだ…

ちょっと意地悪言ってやる!!


「じゃあ…チョコはいらないの?
あたし、せっかく作ったのに?」

「え…?もちろんいるよ?ちょうだい?」

「だって一番欲しい物じゃないじゃん。」

「『欲しい物』には変わりないよ。
それに一番欲しいはるが作ったものだったら欲しいに決まってる。」

「なんかあたし、上手く言いくるめられてる気がする…。」

「意地悪なこと言ってないでちょうだいよ。
はるのチョコ、楽しみにしてたんだから。」


あーあたし、すっごい弱い。

陽の声に。

なんていうか…

悔しいくらい、弱い。

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