青空の紙ヒコーキ
あたしは渋々持ってたチョコを手渡した。


「はるが作ったの?」

「カカオからは作ってないよ。
ラッピングとかは自分でやったけど…。」

「カカオから作ってなんて言ってないよ。
ありがとう。
今年のバレンタインが一番俺、幸せだな。」

「絶対そんなに美味しくない。」

「そんなことないよ。
はるが一生懸命作ってくれたんだってことだけで充分すぎるくらい。」

にっこりと優しい笑顔をあたしだけに向けて、陽はそう言った。




あたしホント弱い。

陽が好きすぎて…陽に弱い。

あたしの気持ち、きっと全部見透かされてる。

陽のことでぐちゃぐちゃだったのに、今は陽の言葉で心がすっきりしてる。

もうあたし、完全に陽中心で世界が回ってるのかも…

陽を好きでいる限り…

きっとあたしの悩みなんか尽きない。

でもあたしが悩んでたら、陽は今日みたいにあたしの一番欲しい言葉をくれる…

そんな気がするんだ…

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