青空の紙ヒコーキ
* * * 

「笹川さん、手伝うよ?」

「ああ、ありがとう。
ていうかお疲れ様。
大変だったでしょ?」

「えっと…少しはね。」

「ホントはあたしたちのテーブルで食べるはずだったのにね。
他のテーブルに誘拐されちゃって…」

「うん。ちょっとびっくりした。」

「でもま、仕方ないかもね。
バスケ優勝しちゃったし。陽くんのおかげで。」

「俺のおかげなんかじゃないよ。
はるが決勝はどうしても出ろっていうから出ただけで…。」

「そのせいでまた人気が爆発した…とね。」

「なんだかなぁ…そういうつもりはないんだけど…
あ、玉ねぎ貸して。」

「え?大丈夫!?玉ねぎだよ?」

「ああ、うん。大丈夫。
笹川さんが涙目で戻ってきたらはるがなんか言いそうだし。あと久哉も。」

「え!?安藤くん!?」

「あ…ごめん…。久哉の話はマズイかな?」

< 78 / 417 >

この作品をシェア

pagetop