青空の紙ヒコーキ
今日のような長期休暇前の最終日の放課後。

それは俺にとって少し窮屈だったりする。

いろんな人から遊びに行こうだなんだと誘われる。
俺にそんな気はこれっぽっちもないのに。

去年の夏休み前、冬休み前、春休み前のそれを経験し、俺も賢くなった。

だから今日はそそくさと屋上の空気を吸いに来た。


「あんまり…理由はないかも。
しばらくここに来れないから…見納め…かな。2学期までね。」


なんとなく「人を避けて」なんてはるに言いたくなくて、別の理由を言った。
でもこれも嘘ではないけど。


「そう言われてみれば…しばらく来れなくなっちゃうんだよね…ここ。」

「うん。
って言っても夏休みなんてあっという間に終わっちゃうんだろうけど。」

「あー!!それは言えてる…
てか今年宿題多くない!?
あたしまた最終日に全部パターンだよ…。」

「補習がある日の午後にやればいいんじゃない?
化学は寺脇先生に聞けるし。」

「陽まで補習の話をするー…。」

はるが一気にふてくされる。

「ごめん…。」

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