青空の紙ヒコーキ

一人きりの教室

補習一日目。
もはや鬱。

だって…

教室に誰もいないんだから。

こんな静かな教室にあたしは耐えられそうもない。

だって陽もいなければ梨絵もいなくて、おまけの安藤もいない。


「無理ー!!なんであたしだけなのー!?」

「何騒いでるんだ戸田!!やるぞ。」

「てらりーん!!あたし以外に補習やる人いないの?」

「当然だ。お前が最下位なんだから。」

「えー!?」

「まず夏休みの宿題やるぞ。
どうせお前のことだから五十嵐のを写しそうだしな。
はい、開いて。」

「はぁ~い…。」



あたしは渋々てらりんお手製のプリントセットを開いた。
てらりんのプリントは思いのほか分かりやすかった。


「で、これは熱化学方程式と言ってな…。」


熱心に指導してくれる…のはありがたいんだけど。

この孤独さ溢れる教室にあたしは耐えられなかった。

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