世界で一番大切な
昔、マスターが昼寝をしている最中に出た買い物から帰ってきて驚いた事がある。どうやら目覚めて私がいない事に気付き恐慌を来したマスターが暴れまわったらしく、室内は台風一過のように大荒れに荒れていたのだ。
その時に私が感じたのは片付けの心配などではなく、私がいないだけでこれほどまでに不安定になるマスターへの愛しさだった。それ以来買い物は全てネットで済ませるようにしている。出来る限りマスターの側にいて、マスターのために過ごす事が出来るようにだ。
私の返事を聞いてから一気に眠気が襲ってきたのかだんだんとマスターの頭が私の体に沿って落ち始めた。このまま床に落ちて怪我をさせてしまう訳にもいかず、私はマスターの脇の下に腕を差し込んで持ち上げた。また少し痩せただろうか?今日はマスターの好きなものばかりを作ろう。マスターと私が二人で寝てもまだ余裕がある大きなベッドにマスターを横たえ、見当たらないシーツの代わりに自分の上着を被せた。
今日の夕食はオムライスにしよう。