* ど ろ っ ぷ
意外と人懐っこい彼なのか、
人の好かれ方になれているのか・・・
すぐに彼は、クラスの人気者になった。
「陸くん、カッコイイ」
『そー?』
「あの整った顔立ち・・・」
席は、ずっと隣なのに・・・
雰囲気に圧倒されてしゃべることが出来なかった。
「・・・結城さん、教科書忘れたんだ。見せてくれない?」
あたしは、間宮くんに喋りかけられても頷くしか出来なかった。
・・・間宮くんだけ。
それが卒業式まで続いたのだった。
「え!間宮くん、銀蘭中学に行くの?」
「うん」
「そっか、一緒の中学に行きたかった!」
女の子10人くらいが間宮くんの周りに集る。
『・・・』
卒業式3日前。
間宮くんは、中学受験してたのだった。
あたしの小学校では、間宮くんだけ。
「そっか・・・また、会えるよ」
そう優しい笑顔をしながら間宮くんは、女の子に言う。
「間宮くん・・・」
もし、このまま中学が地元の中学だったら・・・
間宮くんは、すごくモテただろう。