-short story-
私はただ廊下に体育座りをして顔を伏せた。
無意識に涙が出る。
それは、止まる気配はなくぽろぽろからボロボロに変わって行くばかり。
「あら?・・・・・あげはちゃんかしら?」
不意に声をかけられ、泣き顔のまま顔を上げてしまった。
目の前にはいつもの着物姿の織姫さんがいて、
にっこり笑顔であげはを見下ろしている。
「お、りひ・・・・・めさん?」
泣いてるせいで言葉がとびとびになった。
「どうしたの?あげはちゃんが泣くなんて・・・・・」
織姫さんは私の顔を見るなり目を丸くし、たずねる。
もちろんあのことは話せない。
なにか理由を考えてると織姫さんはクスッと笑って、私の隣に座った。
「なにかあったのなら・・・・・・
話した方が楽よ?
女の子の涙ほど悲しい物はないから。」
織姫さんの言葉がまた心にジーンときて、
さっきより大泣になった。