さんがつアリス
お礼を言われて、何か言わないといけないのに、俺は呆然と彼女を見つめてしまう。

「…っ」

頭が働かない。なんか、熱があるみたいな感覚。


だから、俺は亮児が柊子をデートに誘っていたなんてわからなかった。

「智が買いたい物あって、有栖に付き合ってほしいんだって。ついでに俺、映画のチケットちょうど4枚持ってるんだよね」

俺逹を巻き込んでいたなんて。







約束の日曜。俺と彼女は不本意な再会を果たした。
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