さんがつアリス
花粉が飛び交っていそうな快晴。

「あ、智ぅー」

小花柄のワンピースにウェスタンブーツ。
いつも通りのパーマヘアは今日も軽やかに風に舞う。
「よかったぁ。早く来すぎちゃって」
「あ〜、確かに。ちょっと早いな。まだ、10分前だし」


携帯に表示された9:20の数字。

いつもなら遅刻魔の亮児に合わせてギリギリで来るのに、今日に限って10分も早く着いてしまった。

(なんか、ウキウキしてる?)

俺が?ウキウキ?


十面相をする俺。柊子が不思議そうに俺を見つめる中、彼女が到着した。
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