さんがつアリス

0・いつの間にか出会ってました

ウチの学校には門が2つある。
1つは正門と呼ばれる門。もう1つは名前すらない百日紅の門。
俺は亮児と2人で下校していた。

「あっ」

いつも冷静な亮児が珍しく間抜けな声をあげる。
「んっ?」
「アレ、有栖だよ」
えっ…

160cmくらいの背にミディアムロングのストレートヘア。
同じ制服を着た男子と口論をしている様子だった。

危ない!!

男子生徒は俺や亮児よりもタッパのある奴で、右手を振り上げている。


完全に平手を食らわせるポーズ。


俺は走り出していた。
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