さんがつアリス
左手で何かされる前に掴んだ手首を捻り、そのまま地面に投げ倒す。

「っ!!」
顔を歪めた奴を覗きこむ体勢になる。

苦い顔をして、走って姿を消すそいつを、見送った。
久々に投げ技とかやったから、肩が痛い。
亮児のニヤニヤした顔にイラつきながらも有栖ユイの方を向く。


「あの、大丈夫ですか?」
すっごい他人行儀。恋人なんて噂嘘だって、コノ会話を聞いた奴らはみんな思うだろう。
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