◇ きみとの距離 ◇




「 ちょっとじゃねーよ
  4分待ったし 」

と、得意げに言う。

「 うわ!4分くらいいーじゃん!!
  心狭っ!!!

  流には、優しさ
  ってものがないんだよねー

  昔っから 」


愚痴を零しながらも
やっと流に追いついた。


「 へぇ…
  そんなこと言っていいんだぁ♪ 」

馬鹿にしたように微笑した
その瞬間、流の顔が
残り数センチのところまで一気に近づき、

頬が紅く染まっていくのがわかる。

「 う゛っ…
  すみま…せん 」

何も言い返せないあたしを
楽しむように見て

"わかってんじゃん"

と、付け足した。



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