約束‐ヤクソク‐
「りーいっ」
「凌哉っ! いっつもくっつかないで言ってるのにー」
口を尖らせてそう言ったが、内心は嬉しかったりするあたし。
「まあ、照れるなって。梨依ちゃん?」
心の中を見透かされたみたいで、心臓が跳びはねた。
「照れてませんっ!」
また素直になれないあたし。
(ホント可愛くない・・・)
思わず、溜め息が漏れる。
とその時、デコピンをくらった。
「痛ッ。な、何〜?」
「眉間にシワ、寄ってんぞ」
「余計なお世話っ」
べーっと舌を突き出す。
「っんと、可愛い気のねーヤツ」
凌哉は鼻で笑うかのように言った。
また、痛いところをつかれた。
「わ、悪い!?」
「別に・・・」
フイと凌哉はそっぽを向いてしまった。
あたしはまた俯く。