約束‐ヤクソク‐
不意に頭の上に何かを置かれた。
(えっ・・・?)
それは、大きくて温かな凌哉の手だった。
ぽんぽんと頭を撫でるような仕草。
とても安心する…。
「あ、のさ・・・」
「ん?」
一旦手を止める凌哉。
「あり・・・がと?」
「ぷっ、なんで疑問形だよ!」
アハハハと腹を抱えて笑っている。
「しょうがないでしょっ!?」
あまりの笑いぶりに、段々腹立たしくなってきた。
が、しかし。
「悪かった、悪かったって」
くしゃくしゃっとぶっきらぼうに頭を撫でられ、あたしは一気におとなしくなる。