約束‐ヤクソク‐
〜Ryoya side〜
あれから俺は、渋々病院に寄った。
梨依が珍しく必死だったのだ。
しまいには泣き出しそうになったので、さすがに俺もかわしきれなかった。
そして、診断の結果がコレだ。
「全治1ヶ月ですね」
「は・・・?」
「軽い打撲と捻挫です。骨にヒビが入っているかもしれないので、念のためレントゲンを―…」
んな、アホな。
大丈夫だろ……
「骨に異常は見られませんでした。ですが、最低2週間は安静にしていて下さいね」
同じように、梨依も検査を受けたが、かすり傷程度で済んだ。
ひとまず安堵の溜め息をついた。
『ちょっと・・・』
梨依が耳打ちをしてきた。どうせ言うことは決まってる。
『ん?』
俺はあえて、聞き返した。
『・・・じゃない』
『何? 聞こえません〜』
『重傷じゃないっ!』
とうとう声を荒げた。
俺は、はぁ と息をついてから言った。