約束‐ヤクソク‐
第Ⅱ章
疎遠-soenn-
それからは何事もなく過ぎた。
凌哉のケガも、驚きの回復力で1週間とちょっとで大分治った。
幸せな日々を送っていた。
しかし、とある不注意によって、それは起きてしまった。
――……
いつものように、凌哉と週末デートで
ショッピングに出かけていた。
「りょーやっ、次あっち・・・」
「おい、そんなに急ぐと転ぶぞ?」
その声を聞くや否や、あたしはヒールが引っかかって、後方へ…
「梨依!!」
凌哉が手を伸ばしたが、あと僅かなところで届かない。
まるで全てがスローモーション。