約束‐ヤクソク‐
~Ryoya side~
何度も何度も呼びかけた。
やっと俺の声に答えてくれたと思ったら、そこには梨依じゃない梨依がいた。
(なんで・・・?)
どうして俺じゃないんだと、後悔ばかりが頭を巡る。
俺には、毎日毎日梨依の病室へ通うことしか出来なかった。
俺が行った時には、いつも梨依は眠っている。
梨依が眠っている間でも、俺は梨依に話しかける。
「りーい? 梨依・・・またどっか行こうな?」
「梨依! ほら、今日はお前のお気に入りの花持ってきてやったぞ☆」
「今日はあのアーテイストのCDが発売されたぞ、梨依」
リイ、りい、梨依……
昨日も、今日も、明日も俺は梨依に話しかける。
梨依の目が覚めたときに、俺が傍にいれられるように。