約束‐ヤクソク‐
そんな日々を繰り返していたある日。
梨依が俺の名前を再び呼んでくれるようになった時だった。
だけど…あの頃のように、〝凌哉〟とは呼んでくれない。
凌哉〝さん〟
なんだか別の隔たりがあるようで、今まで以上に寂しかった。
大分、梨依が回復してきた頃。
一時退院の許可が下りた。
嬉しいはずなのに、気持ちは重かった。
前と同じように、俺は梨依の家に迎えに行くが、当の梨依は他人行儀な態度。
それが何よりも……
俺の胸を締め付けた。