約束‐ヤクソク‐
知ってる人の中で、こんな素敵な人、きっと滅多にいない。
何より、どこか惹かれる所がある。
この人となら、いつ知り合ったとしても恋に落ちていたかもしれない……。
あたしはなんとなくそんな風に想像した。
そして、いつものように彼はやって来た。
彼はちゃんと学校に行きつつ、あたしの元へとやって来る。
学校へ行く前らしい朝のわずかな時間と、ゆったりとした放課後の時間……。
「よっ、梨依~。調子はどうだ?」
「あ、凌哉さん。お早うございます、元気ですよ」
にっこり微笑んで言ったつもりなのだが、凌哉さんは無言。
「・・・・・・」
「あ、の・・・?」