約束‐ヤクソク‐
~Rii side~
「わっ、降ってきた・・・」
さっきまではどんよりとした雲が空を覆っていたくらいだったが、はらはらと白く冷たいものが降ってきてしまった。
手を伸ばすと、手の平にそれは落ちて
儚く融けていく
そして気付いた。
「寒い・・・」
明らかに気温が下がっている。
制服の上にカーディガン1枚ではさすがにキツい。
(マフラーも手袋もないし・・・)
のには理由がある――
*:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆ *:..。o○☆
私が玄関の外に出ると、先にいたクラスメイトが震えていた。
どうしたの? と声をかけると、傘もマフラーも手袋もないことに気が付いた。
確かこのコの家って……
「岸本さん・・・だよね? 家遠いのに、そんな薄着で大丈夫?」
「あ・・・」
私の方を振り向くと、少し間を置いてコクンと頷いた。