約束‐ヤクソク‐

「梨依! 分かるか?!」


辺りに響いた、少し低めな声。


髪を茶色に染めた男の人があたしを覗き込んで、呼びかける。


しかし……




「あの・・・誰・・・ですか?」


さっきよりも声は出ていたが、口をついて出た言葉。





でも、それ以外





何も言えなかった。




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