バカと天才で
「あー、俺昨日涼祐と電話したしメールしたぞ?」

「本当!?」
ガタッと音を出して、思わず席を立つ。

「ほ、本当だって。だから座れば?」

「…ごめん」

大人しく席に座って考える。

「とりあえず、涼祐が無事で良かった」

「音信不通な訳?」

「…うん。なんでだろう…」


「美咲の事、好きじゃなくなったとか?」


胸がドクッとして、ズキッとした。幼稚な表現かもしれないけど、本当にそうだったから。


「……ウソだよ。美咲から連絡はした訳?」

「…うん」


「ふぅ~ん」

「ふ~んて!なんでそんな事言うのっ」

「…別に」


この時私は貴兎がどんな顔をしてるのか知らなかった。
< 6 / 18 >

この作品をシェア

pagetop