歴史
「俺も連れていけ!」

 再び目の前に現れた少年を見て、兵士を目を見張った。少年が顔といわず手といわず、真っ赤な血にまみれていたからだ。

「俺にはもう家族がいない! だから俺も連れていけ!」

 驚きに目を丸める兵士に向かって、少年はそう叫んだ。
< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop