歴史
 しかし兵士は、少年の苛烈で自分本位な気性を嫌悪して取り合わなかった。少年は去っていく兵士の背中に激情に任せて飛び掛かろうかと考え、思い止まった。相手が自分の持つナイフより長く鋭い剣を帯びていたからだ。

 少年は兵士と共に去っていく少女の名を叫んだ。しかし、少女が振り返ることはなかった。

 その後、少年は家族を殺害した罪を問われ、牢に入れられた。
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