ねくすと★DOLL
「実はこの娘は転校ばかりで、あまり友達もおらんのです」
「ほうほう。それは切ないな」
阿部先輩が、初老の男の話に合いの手を入れた。
「にぎやかな皆さんと一緒になれば、少しは性格が明るくなるかと思いまして……」
男がそう言うと、彼女は男の後ろに隠れた。
「どうでしょう? アイを、仲間にしてやってはくれませんか?」
『あの娘……。アイちゃんって言うのか……』
コータは心の中で、呟いた。