ねくすと★DOLL
「じゃ、僕はこれで……」
コソコソ……
コータはこのどさくさに紛れて、逃げようとした。
「くっ……。逃がすかぁ!!」
シュン!!
倒れていた町田から放たれたのは、白い荒縄!!
クルクルクル……
パーン!!
一瞬のウチに、コータは縄で縛られた。
「ど……、どこからそんなモノを……」
ギリギリと締め上げる縄に抵抗しながら、コータは喋った。
「ふっふっふ……。私を甘く見てもらっては困るなぁ……」
ニヤリ、と町田は不適な笑みを浮かべた。
「さぁ、入部するか、荒縄で縛られ続けるか、どちらか選べ!!」
「ム……、無茶苦茶だ……!!」
ギリギリ……。
コータのに絡みつく縄は、さらに締まりが強まる。
「コータくん、一緒に部活しよっ!! そんでね、あたしの漫画のモデルになってぇ!!」
「も……、桃園さん…………」
タマミの瞳はキラキラと輝いている。
コータを助ける意思は全く無い様だ。
「蘭丸……。これは戦(いくさ)なのだ。お主も男なら、正々堂々腹をくくれ!!」
「あ……、阿部先輩まで……」
コータは、絶体絶命のピンチに追い込まれた。