ねくすと★DOLL
「あ……。アイちゃんのお父さん!?」
そう。アイの横にいた、白髪交じりのダンディーな男だった。
「お父さんっ!?」
キラーン!
男の目は、激しく光った。
「ふっ……。お父さん……か……」
そして、何故か寂しげな表情を浮かべた。
「確かにワタシは、アイの父親だが……」
「???」
「キミに“お父さん”呼ばわりされる理由はない!!」
ビシィッ!!
男は、コータを力強く指さした。
「ヒッ!!」
あまりの男の勢いに、コータは少しおののいた。
「ワタシの事は…そうだな」
ゴク……。
よく分からない勢いに圧倒され、コータは息を飲んだ。
「“イケてる教授”と、呼べ!!」
ビシィッ!!!!!!
決まった!! みたいな雰囲気で、男は廊下に響き渡るくらい大声で叫んだ。
ざわ……。ざわ……。
立ちゆく生徒たちは、皆男とコータの方を向いている。
コータは、この不可思議な状況をとても恥ずかしく感じた。