ねくすと★DOLL


二人は、屋上までやってきた。



錆び付いたフェンスに囲まれた二人だけの空間。




空には、気持ち良いくらいの青空が広がる。




「うっ……」




しかし、物々しい如月教授の雰囲気に、コータの顔はすっかり引きつっていた。





「早速、本題に入ろう」


「はい……」


「さて、何から話せば良いのやら……」




春風でバタバタとなびく白いコートを手で押さえながら、如月教授は空を見上げた。




「単刀直入に言うと……」



「はい……」




コータは、真剣な表情で如月教授を見つめた。
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