ねくすと★DOLL
「元はと言えばサッキー、お前が私の対決を放棄するから……」
「なぁっ!! 何言ってるのよ!!」
「敵前逃亡とは、見苦しいぞ! サッキー!!」
「こ、こぉんのぅ!! 言わせておけば!!」
お互い激しくにらみ合い、火花をバチバチと飛ばす町田とサキ。
「こーなると、誰にも止められないのよねー」
「も、桃園さん……」
火の粉が飛んできそうなくらい険悪な部室の空気を、楽観的に見ているタマミ。
「よきかなよきかな。うい余興じゃ。うわっはっはっはっは~!!」
「あ、阿部先輩も……」
阿部先輩は大きく扇子をあおぎながら、高笑いをしている。
こんな状況ではサキと町田の争いに、誰も『待った』の声を掛ける者がいなかった。
その時である。