ねくすと★DOLL
「おお少年。ケガはないか?」
男はゆっくりと立ち上がり、コータに話しかけた。
明らかにコータより先輩だと言う事は分かったのだが、その雰囲気は“怪しい”の一言であった。
黒のロングヘアー。
銀ブチのメガネ。
左手には野球のグローブ……。
一体何なんだ、この人は!?
「あ……。いえ、大丈夫です」
ホントは驚きのあまり、心臓がバクバクいってるのだが、コータはなるべく冷静を装い、精一杯答えた。