ねくすと★DOLL
「まぁちぃだぁぁぁぁぁ!!!!」
部屋の奥には、血管がブチギレそうなくらい怒る女子がいた。
左手には、やはりグローブだ。
「ふっふっふ……。サッキー、これで部室野球も、私の24勝12敗だな?」
「23勝13敗よっ!! それよりアンタ、部室の扉こんなにしてどーすんの!? 先生に怒られちゃうでしょ?」
「笑止千万!! 先生が怖くて、部室野球がやれるか!」
「なっ……!!」
「そんな気持ちでやるからサッキー、私に勝てないのだぞ!!」
「ぬ、ぬぁんですって~!!」
“町田”と呼ばれる男子と、“サッキー”と呼ばれる女子は、お互い激しくにらみ合い、火花をバチバチと飛ばしていた。
「あっ、あのぉ……」
『何っ!?』
コータに向けた二人の形相は、まさに鬼だった。
「ヒッ!! い、いやあの、聞きたい事が……」
「今、取り込み中だ!!」
「後にしてちょーだい!!」
再び二人は、激しくにらみ合った。