ねくすと★DOLL



「あーあ。またやってますね」



「えっ!?」



ドキッ!



背後からひょっこりと現れた女子の出現に、コータは驚いた。





「もしかして、入部希望者の方ですか?」



「えっ!? 入部?」




突然の発言に、コータはさらに驚いた。




「これ……。部活ですか?」



「ううん。二人がやってるのは、部活じゃないよ」




女子はプルプルと首を振る。




ポニーテールの髪が揺れ、コータの鼻の頭をかすめた。



なんとなく、くすぐったい。




「あれは先輩たちが、好きでやっているの」




女子は黒ブチのメガネを右手で少し上げて、答えた。




「ぶ、部室野球って、言ってたけど……」


「今日は野球なんだぁ。昨日は、部室サッカーだったのに……」


「部室サッカー!?」




コータは目をひんむき、女子の顔を覗いた。



平然と話す彼女は、この非常識な出来事を受け入れているのだろうか……?



そんな思いだった。


< 9 / 59 >

この作品をシェア

pagetop