ねくすと★DOLL
「あーあ。またやってますね」
「えっ!?」
ドキッ!
背後からひょっこりと現れた女子の出現に、コータは驚いた。
「もしかして、入部希望者の方ですか?」
「えっ!? 入部?」
突然の発言に、コータはさらに驚いた。
「これ……。部活ですか?」
「ううん。二人がやってるのは、部活じゃないよ」
女子はプルプルと首を振る。
ポニーテールの髪が揺れ、コータの鼻の頭をかすめた。
なんとなく、くすぐったい。
「あれは先輩たちが、好きでやっているの」
女子は黒ブチのメガネを右手で少し上げて、答えた。
「ぶ、部室野球って、言ってたけど……」
「今日は野球なんだぁ。昨日は、部室サッカーだったのに……」
「部室サッカー!?」
コータは目をひんむき、女子の顔を覗いた。
平然と話す彼女は、この非常識な出来事を受け入れているのだろうか……?
そんな思いだった。