ボクがキミのおとうさん。
でも、それに気付くのが少し遅かったんだね。


お母さんに何回電話をかけても全然出てくれなかった。


「もう二度と帰って来ないんじゃないか」


そう思うと頭がおかしくなりそうだった。


居ても立ってもいられなくなったボクは、お母さんの実家に行こうとして車に向かった。


するとアパートの駐車場に見覚えのある車が入って来た。


おじいちゃんだ。


「おう」


ボクは覚悟を決めた。


でもおじいちゃんは意外な事を口にしたんだ。


「別に私からは君に何も言う事はない。ただ、一ヶ月だけ、一人で暮らしてみなさい」


それだけ言うとおじいちゃんは帰って行ったよ。


その言葉の意味はすぐにわかった。


お母さんの大切さを考えなさいって事だったんだ。


ボクは一ヶ月間、頑張ってみる事にした。


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